「 あなたのすきとおったほんとうのたべもの 」







 
    コレは、宮沢賢治の初めての童話集、「注文の多い料理店」の序章に書か

れた文章の一部です。賢治は、自分の書いた文章が人々にとって「透きとお

った・本当の・食べ物」になる事を願ってお話を書いた、とこの序文で語っ

ているのですが、それでは私達美容師にとって人々に提供できる「すきとお

ったほんとうのたべもの」とは、一体どういう事なのでしょう?




わたしはそんな事を考えながら [ dress ] を創りました。



[ dress ] のこだわりは、「 本物 」である事、です。

とかく「安い、早い、便利」がもてはやされる現代ですが、美容室にとって

の「本物」とは一体何なのでしょう?もちろん、「似合わせ」や「時代性」

は当然配慮された上で、という事ですが、それは、「扱い易さ」「 持ち 」と

いう事なのでは無いか、と考えています。

本当に上手なカットやカラーやパーマであれば、翌日からの「扱い易さ」

ひと月後の「持ち」が変わってきます。



【カット】では、毛流れや毛先の落ち着きをきちんと見極めながら、ウエッ

トカット、チェックカットをそれぞれ丁寧にしていく事で、次の日のスタイリ

ングが楽に決まり一か月経った後でもヘアスタイルが崩れる事はありません。



【ヘアカラー】では、根元の新生部分と中間・毛先で、髪の毛の健康状態な

どを見極めながら、薬の調合や時間配分を変える事で、根元が伸びてきた時

にも目立ちにくく、毛先を必要以上に傷める事もありません。プロが仕事を

丁寧に施すことによって得られる仕上がりは、決してホームカラーで得られ

るものではありません。



【パーマ】であっても髪の健康状態に合わせ、何種類もの薬剤の中から適切

な薬品をチョイスする事で、髪の毛の痛みを最小限に抑える事が出来、更に

カットときちんと連動する事でパーマが落ちてきた時にも、それなりにヘア

スタイルが決まるものです。



【トリートメント】に関しては、決して有名ブランドのモノ、という訳では

ありませんが「オルガ」というメーカーが本物にこだわって作り上げた、混

ぜ物の一切無いトリートメント剤をそれぞれの髪の状態に合わせ、使用して

います。



カットやパーマやヘアカラーの「持ちが良い」、「髪が常に健康である」

という事は、お客さまにとって、結局は「お得」であると考えています。

パーマ液やカラー剤、シャンプー剤、トリートメント剤、スタイリング剤、

店販商品等の全てに至るまで、青山の一流サロンで 14 年間の修業を積み、

27年に及ぶキャリアを持つオーナー自身が、一つひとつこだわって選ん

でいるモノばかりです。



決して派手さはありませんが、

「美容の本質とは?」

「本当に上手なカットとは?」

「本当に居心地の良い空間とは?」

そこにこだわってお店創りをしています。

ですから、 [ dress ] では安易な値引きや、ポイント還元、等の目先のサー

ビスは致しておりませんが、本物の技術でサービスをしていきたい、と考え

ています。


それこそが、「 本質 」であると考えているからです。


本当に良い仕事をしていれば、「本物のクチコミ」を作れると信じている

からです。




また、店内・外には多くの多種多様な植物たちや、本物の剥製、動物の

頭骨、化石等が飾られています。

それは、常に「生と死」、「死生観」を持って生きていきたいと考えている

からです。

「死生観」を持つ事で、初めて「一期一会」の精神を感じる事が出来るから

です。[ dress ] ではいつでも「一期一会」の精神を持って仕事をしていき

たいと考えているからです。そしてそれをお客様にも考え、感じ取って頂き

たいからです。


他にも店内には、世界一周の経験を持つオーナー自らが日本中、世界中か

ら集めてきた本物のアートや、古書、鉱物、オブジェ等様々なモノが飾られ

ています。


例えば全身花柄のトルソですが、これは日本の現代アート界で今最も重要な

人物の一人< できやよい >による2000年の作品です。1999年に水戸

芸術館で開催された「日本ゼロ年」展では岡本太郎、横尾忠則、大竹伸朗、

東松照明、等といった超大物アーティストに並び、当時最年少で選出された

程の実力のあるアーティストです。その後も、2000年、イタリアで開催

された「ヴェネチア建築ヴィエンナーレ」、若手アーティストの登竜門

「ミズマ・アートギャラリー」での個展の開催、2007年には森美術館で

開催された、「六本木クロッシング:2007」、2009年開催上野の森

美術館、「ネオテニー・ジャパン」等に参加するなど、今後の活躍が最も

期待されるアーティストの、正真正銘、本物の作品です。

[ dress ] のオーナーとの親交が厚く、以前、本人から直接譲り受けたモノ

で、今では彼女の作品は数百万で取引される事も珍しくなく、このトルソの

価値や如何に?といった作品です。



そしてそれら全体を包み込む、 [ dress ] の内装や家具の一つひとつは、

山梨にある「ギャラリー・トラックス」のオーナー、今は亡き、

< 木村二郎 > 氏によるものです。



古材や鉄を使った内装や家具は、今では決して珍しくありませんが、それ

をいち早く世に送り出してきたのが、 < 木村二郎 > その人です。

彼がその後、後進に与えてきた影響力は絶大です。その、彼の最後の作品

がここ、[ dress ]なのです。


彼の魂がこもったこのお店自体が一つのアートであると感じ、

日々、大切にお店を使用させて頂いています。



そんな本物たちに囲まれて、本物の仕事をしていきたいと、考えています。

そして、お客様にも本物を感じ取って頂ければ、と思っています。



当店は完全予約制です。



どんなに忙しくても、1時間に一人以上のご予約をお取りする事はありま

せん。



それは本物の仕事を、していきたいからです。

決まったデザインの大量生産を、したくないからです。

仕事を、アシスタント任せにしたくないからです。

ですから、お客様にもご予約のお時間は , お守り頂く様お願いさせて頂い

ていますが、それは次のお客様をお待たせしたくないからでもあります。



だって、せっかく予約をしていったのに、何十分も待たされるのって、

おかしいですよね?




そんなこだわりでいっぱいのお店ですが、これからも、時代に流されない

よう、時代に負けないよう、本物の仕事を追及していきたい、それが

2004年に [ dress ] を開業して以来の信念です。








dress 代表 倉品幸司